国立大学法人佐賀大学
佐賀大学農学部

分属を希望する学生さんへ

文責:辻田忠

自分の人生はしっかりとした調査をして、理論的に選択するべきです。時には、大変な方向を選ぶこともあるでしょう。これを長期的視点に立って、時間的投資と思えるかで成長がきまると思います。な〜んの戦略も、考えも、フィロソフィーもなく決めるということは、自分の人生を「さいころ」を振って決めているようなもので、そのことに疑問を持たない学生はそれでいいと思っています。なにをしていても、時間は平等に過ぎ去ります。限られた時間で「なにを」するかです。

進路について

学部で卒業、大学院で卒業とどちらも選択肢としてあると思いますが、私は、高い希望に挑む学生をしっかり(環境や精神)支援したいと考えています。残念ながら、直接的な資金援助はできません・・・が、力を込めて奨学金の推薦書や推敲はします!大学院に進学してその先どうなるかについての内閣府の調査結果があります。進路の参考に目を通してもらえればと思います。

以前、1年次の講義でアンケートを取ったのですが、かなりの人数が、研究職や開発職を希望して、この大学を選んで入学してきていました。それが、学年を積み重ねると、全く違う仕事を目指して活動している学生が多くいます。この原因は、私どもの大学の空気感にあるのでしょうか?これには僕は明確な処方箋を持ち合わせていません。

では、研究・開発職になるならば、何が必要でしょうか? 私は、しっかりとした理論立て、計画の実行、結果の考察および発表という一連の作業が必須かと思います。商品を開発したい希望があっても、必ず上司を納得させるための「稟議書」などを作成する必要があります。私は、学部生の卒論で社会に出て上司を納得させることができるだけのまともな文章を書いてきた学生は今まで見たことがありません。(一方で、大学では文章を書くことを教えていないので、どうやって私たちが伝えるかも命題ですが・・・)。

また、多くの会社は、首都圏や関西圏に本社を持つため、地の利では佐賀大学や、九州内の大学の学生は明らかに不利です。ですから、私たちは、おおくのロールプレイングゲームと同様(ドラクエ?)、戦い(就職活動)に必要な武器(スキル)を授け(装備する)ことを目指しますので、自ずと時間はかかる(レベルアップにはモンスターをたくさん倒さないといけないです)と思っております。私の力不足かもしれないですが、3年後期から就職活動開始までの半年で、このようなスキルを十分につけていただくことは、なかなか厳しいと考えています。もちろん、それ以前から準備を進めている(学部1年生から研究室で活動している学生もいました:前に所属した大学ですが)のであれば、この考えは杞憂と言えます。
毎年思っていることですが、自分がどのような卒業研究に従事しているのか説明できない状態をあなたがどのように感じるかです。(就職できればな〜んでもいいというひとには関係ないですね・・・)

世間では、大学は就職予備校のような位置付けで語られることがありますが、私は同意できません。大学においては、じっくり卒業研究に携わることで、教員、先輩から教えられ、後輩を指導することで、結果として就職に有利なスキルが身についていくと思っています。したがって、いい研究経験(実験がうまく行くとは別です)無くして、良い就職はありません。

公務員を志望する学生へ

公務員は昨今募集人員が多くなってきたとはいえ、未だに狭き門です。しっかりとした受験準備が必須です。これをちゃらんぽらんにやっている学生はまずもって無理です。公務員講座などを受講することでしっかりと準備をすることをお勧めします。
当研究室からも合格者が出ていますが、合格すべくして合格していたような気がします。

アカデミアを目指す学生さんへ

アカデミア(大学の教員)への就職を果たすには、博士号がマストです。個人的に思っていることですが、学歴よりも、どんな研究を行って、どんな論文を書いたかで決まります。
研究者には2通りあり、誰よりも実験を多くやってデータを出すか、むちゃくちゃ頭がいいかどちらかです。残念ながら、私は前者であったと思います。頭がいいというより、ひらめきを実行するタイプでした。
また、良い師に恵まれるかどうかと、それを多く持った方は成功(今も生き残っている)しているようです。研究は一人ではできないので、良い研究室に所属し、同じ空気を吸い、いい影響をうけることがアカデミアでいい仕事を得るための近道かと思います。私個人は、褒められた人格ではないとおもっているので、いろんな先生と関係を持ちやすいように共同研究等で里子に出てもらい、取捨選択をしていただけるようにしています。